集客ツールとしてホームページを活用するためには、お客さまが求めている情報を提供する一方で、「商品を買っていただく」または「サービスを利用する」ことがお客さまにとって正しい判断であるという結論へ、お客さまを導くことが必要です。ただ商品のスペックを紹介しただけでは、お客さまは商品の購入に至りません。いかにしてお客さまの判断を商品の購入へ導くのか解説します。
お客さまは様々な選択肢を持っている
ホームページはただあるだけの存在ではなく、例えばホームページを見たお客さまがお店に興味を持っていただき、実際に足を運んでいただくきっかけを提供することが、ホームページの最も重要な役割です。お店に足を運んでいただく以外にも、例えば保険のようなサービスに申し込んでいただいたり、ネット通販で商品をカートへ入れていただくなど、具体的な行動を促すきっかけや判断材料を提供することが、ホームページには求められます。
ただしお店に行く、サービスに申し込む、商品を買うといった具体的な行動に移っていただくには、お客さまが持っている様々な選択肢に対して、その商品やサービスがお客さまにとっていかに必要なものか、理屈を理解していただく必要があります。では、お客さまが持っている選択肢とは何か、具体的な例をお伝えします。
レールのポイントを切り替えるように、お客さまを商品購入へ導く
鉄道のレールは目的地まで一本だけ延びているわけではなく、途中にいくつもの分岐点(ポイント)があります。そのポイントの切り替えを一ヶ所でも間違えると、列車は目的地とは違う駅へ行ってしまいます。お店は乗客を待つ終着駅のようなもので、お客さまが乗っている列車を自らの駅へ導くために、途中のポイントを次々に切り替える必要があります。そのポイントとは、お客さまの選択肢です。お客さまの選択肢を、自らの商品を買うという結論に導くことがホームページの戦略です。
例えば、あなたがピアノ教室の先生で、ピアノ教室の生徒を募集するホームページを作るとしましょう。募集する生徒は小学生または中学生です。ただし子供の習い事は最終的に親が判断するので、生徒へ向けたメッセージと共に、親の選択肢を「子供をあなたのピアノ教室へ通わせる」という結論へ導くための情報を提供することがホームページの目的になります。
まず親には「子供に習い事へ通わせる、もしくは通わせない。」という選択肢があるので、習い事へ通わせる必要性やメリットを説きます。次に習い事の中には、学習塾やスイミングスクール、書道やそろばん、絵画などがあるなかで音楽という選択肢へ導くための説得を行ないます。音楽といっても声楽と楽器の演奏があるので、楽器の演奏を学ぶことがいかに正しいか、説得します。さらに楽器の演奏の中には、ピアノの他にギターやバイオリンなどもあります。ここでもピアノを学ぶことのメリットについて説明し、最終的に沢山のピアノ教室がある中で、私から学ぶことのメリットを伝えるのです。
ピアノ教室の生徒を募集するだけでも、これだけの選択肢がお客さま(生徒の親)にはあります。これらの選択肢を全て「私のピアノ教室へ通っていただく」という結論へ導くことで申し込みや問い合わせをいただける訳です。ピアノを学ぶという結論までお客さまを説得できても、最後にあなたから学ぶという説得に失敗すれば、生徒さんを獲得することはできません。
ホームページで集客するには、まず自らの商品を買うという結論に達するまでに、お客さまにはどのような選択肢があり、何に悩み、不安に思っていることは何かを考えます。そのうえで、それらの選択肢ひとつひとつについて、自らの商品を買って頂くという結論に導くための判断材料や、悩みや不安の解決方法をホームページで提供することで、来客につながったり、商品を購入していただける訳です。逆に今のホームページで商品が売れないとか、集客できていないのであれば、お客さんの選択肢に対して説得できていない、もしくは答えを示していない可能性があるといえます。
ホームページの役割は情報提供ではない
お店に何度か足を運んでいただいているお客さまにとって、たまに営業時間や定休日を確認する程度で、ホームページの情報はそれほど重要ではないかもしれません。一方で、お店を詳しく知らないお客さまは、例えばレストランであれば、まずホームページでメニューやお店の雰囲気を事前に確認するでしょう。ホームページを訪れるお客さまの多くは、お店を利用しようか迷っている見込み客です。そのお客さまが知りたがっているメニューの内容や金額などの疑問。または一人で入れるか。気軽に利用できるかといった不安を払拭し、「このお店に行ってみたい!」と思って頂けるきっかけを提供することがホームページに求められている役割です。
しかし残念ながら多くのお店のホームページは、見る人にきっかけを提供せず、営業時間とか場所とかメニューといった最も基本的な「情報」しか提供していません。このような基本的な情報を知らせただけでは、お客さまにお店へ行ってみたいと思っていただくことは難しいでしょう。そこでお客さまを呼び込むために、自らのお店で食事をしたり、私から商品を買うことのメリットを確り伝えましょう。そしてそれが正しい判断である根拠を示し、お客さまが納得できる情報を提供することが、集客して商品を売るためのもっとも基本的なホームページ戦略です。
記事のまとめ
- お客さまが「お店に行ってみたい。」「サービスに申し込みたい。」と思うきっかけや判断材料を提供する。
- お客さまはどのような選択肢を持っているのか。何に悩み、不安に思っていることは何かを考える。
- 自らのお店に来たり、私から商品を買うことのメリットを理論的に理屈で伝える。
- お客さまの選択肢の中から「あなたから商品を買う!」という結論へ導くことがホームページの戦略。